第2回目インタビューは、学生時代から「美術手帖」の愛読者。2020年新卒入社のアシスタントデザイナー Fさんです。愛読者として制作する心境や制作の裏側を公開します!

  美術手帖との出会い 私の趣味は本を読むこと。学校の図書館で出会ったのが「美術手帖」です。 「美術手帖」は内容もさることながら、毎号斬新かつ変動的なデザインで新刊が楽しみでした。 この本の魅力に引き込まれたことが、デザイナーを目指すきっかけになりました。   やりがいと責任感 入社後のジョブローテーション時に「美術手帖に関わりたいです」とアピールしてました(笑) 半年経過した頃、ADから「挑戦してみない?」と声がかかり、2021年2月号の制作の定例ページ、特集ページの見開き3ページ程の配置デザインに携わることができました。 ADが作成したフォーマットを展開したりと緊張しましたが、年齢の近い先輩と細かく確認する時間を設けたり、メンターメンティ制度※ を利用することで不安なく進めることができました。 制作を重ねていく度に担当ページ数が増え、現在では定例・特集ページ含め40~50ページ程デザインしています。これまで6冊の制作に携わり、初めて私の名前がクレジットに掲載された時は、例えることのできない何とも言えない感覚と、やりたい仕事に携われる嬉しさとやりがいを感じました! 制作を重ねる度に完成するスピードがあがってきている感覚があり、自分でもスキルアップを感じています。 あと・・・書店に並ぶ前に手に取れるのも嬉しいです。 ※メンターメンティ制度_先輩社員と1ON1で業務の進め方のアドバイスや悩みなどヒアリングの機会を設ける制度   美術手帖制作の流れと社内体制 制作ページ数は約200ページ、現在6名で3週間程度で制作しています。 美術手帖はこのような流れで業務が進みます。   あらかじめADと編集者とで各号全体の企画・特集・流れについてヒアリングしたものが制作メンバー へ共有され、編集者から送られてくる台割により各メンバーの役割や制作ページ数が決められます。 本全体の統一感はとても大切にしているので、制作終盤では、サムネイルをボードに貼り、 全体の雰囲気、色味が偏っていないか、まとまりがあるかなどメンバーで確認していきます。   定例ページは決まったフォーマットで素材配置がメイン、 特集ページはある程度のフォーマットはありますが、比較的自由度が高く、提案したアイデアを デザインへ落とし込むことができます。最終的に全体の雰囲気を踏まえ、デザインが決まります。   制作する上で心がけていること 美術手帖は各記事毎に担当の編集者が異なり、その先に作家やアーティストがいます。 皆それぞれこだわりが強くあります。 私もデザイナーとして、編集者の意向をそのままデザインに落とし込むのではなく、自分のやりたい デザインをどのくらい落とし込めるか、デザイナーの考えとデザインを踏襲して制作することを心が けています。そういったデザイナーの考えを理解してもらえるよう、普段から編集者・アーティスト・ デザイナーとのコミュニケーションと信頼関係がとても重要だと考えています。   インプット 記事の内容から連想されるワードや、学生時代からストックしていたデザインの引き出し、 最近インプットしたものをアイデアに落とし込みます。好きなものだけのインプットは偏るので、 ライフスタイル、アートなど多方面からインプットをしています。   携わった中で印象的だった号 2021年8月号では奈良美智さんのページを担当し、特集定例とも異なるページで、自由に自分がやり たいアイデアがそのまま紙面に反映され、嬉しさとやりがいを感じ、デザイナー冥利に尽きる仕事だ と実感しました。 2021年6月号の松山智一さんの特集はデザインも面白いし、内容が攻めていて思い入れもあります。 これからアート界を盛り上げる2021年2月号「ニューカマー・アーティスト100」特集号も好きです。 2021年8月号担当ページ   BT制作を通して学んだこと 最初の頃は定例ページでもすごく時間がかかっていました。 定例ページといっても同じ形の素材が来るわけではないため、綺麗なバランスが取れず、試行錯誤 しても思うようにはいかなかったです。そんなうまくいかない時の経験から、余白を上手に利用したり、 引き算したデザインにしてみたりと、感覚がつかめるようになり、自分なりのパターンも見つけられる ようになりました。繰り返し携わること、ADや先輩にアドバイスをいただいたりすることで徐々にコ ツを掴むことができました。 1人でコツコツ制作するのではなく、メンバーで協力しながらよりよい1冊に仕上げていく制作は、自分 が考えていたデザイナースタイルに合っているな、と「美術手帖」を通してより強く感じています。 学生時の読む立場の時とは異なり、読者がどう見るかなど客観性が大切だということも学びました。 客観性とデザインで表現したいこと、お互いの中間地点をさぐりながらこれからもデザインしていきます!!

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Design Case Study 2023

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