Design

SIZUYAPAN

BRANDING / ART DIRECTION / GRAPHIC / LOGO / PACKAGE

あんぱん一つひとつの個性を紡ぐバックストーリー。

町のパン屋から新たなブランドを

京都府内に20店舗以上を構えるパン・洋菓子店「志津屋」。昭和23年、河原町に誕生して以来、この地で住民に愛されてきた、まさに「町のパン屋」です。そんな志津屋が、インバウンドやギフト需要を見込んだ、新たな姉妹ブランドを立ち上げることに。一番の課題は、志津屋と新ブランドの違いをどう明確化すべきか、でした。キーとなるイメージワード「京都発」「ギフト需要」「差異化」を集約し、導き出したデザインコンセプトは、「憧れを生むモダンで大人のパンや」。このコンセプトの軸を「伝統」「革新」と捉え、デザインしていきました。

素材のこだわりを「家紋」で表現 

私たちが考えたのは、「京都のとあるパンづくりの盛んな架空の村、志津村。そこにはおいしいとうわさのパン屋さんがいくつも軒を連ねる」という架空の物語。村の地図も作ってビジュアルのフックに。ロゴマークの「家紋」は、デビュー時の6種の商品を表し、餡ごとの産地や製造所の違いを家系図にたとえ、「家紋」を設定しました。「抹茶生地なら円の周囲に葉っぱを付ける」「こしあんなら円の内部をスミべタにする」といった規則性を設け、世界観に統一性を持たせています。また、家紋は職人や素材の生産者のこだわりを表すものでもあります。

“モダンで大人な”世界観を統一

さらに、私たちはパンのサイズもデザイン。モダンで大人な上品さを実現するため、あんぱんのサイズを手のひらに載るほど小ぶりにしています。パッケージにもこだわり、商品のラベルは掛け軸をイメージし、縦長のボックスに欧文を多用したデザインでモダンな印象に。色彩設計は、金閣寺や鳥居といった京都のイメージから、金・赤・黒・白、4色で管理。ショッパーは、手に取ったときの温かみを重視したクラフト紙を採用しました。気持ちを伝える。心をつなぐ。志津屋のものづくりの基本を大切に、新たなおもてなしの心を形にしました。

CLIENT: 志津屋
Dynamite Brothers Syndicate

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Design Case Study 2023

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