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異業種交流会が苦手な人の視点で考える。ブランド体験の入口。

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2026.3.18

 異業種交流会に行けない理由。

筆者は、異業種交流会のような場所が苦手です。

人脈づくりは必要だと思っています。それでも、なかなか足を運ぼうと思えない。

そこには、こんな理由が思い浮かびます。

どんなテンションで、どんな振る舞いを求められるのか想像がつかない。

そして、その場の空気に無理している自分がなんとなく想像できてしまう。

その場の空気感が読めないことに、身構えてしまうのです。

この感覚は、異業種交流会に限りません。

ワークショップ型のセミナー、コミュニティ、さらにはブランドとの最初の接点でも同じことが起きています。

筆者をはじめ、異業種交流会が苦手な人が立ち止まっているのは、

実は「交流」ではなく「入り口」です。

多くの人の違和感は、その場に入るときの「入口のつくり方」にあります。

 

人は「入口」で立ち止まる

異業種交流会が苦手な人は、場そのものを拒んでいるわけではありません。

ただ、入口でこんなことを感じます。

 

・どんな雰囲気の場所なのか分からない

・どんな人がいるのか想像がつかない

・自分が浮いてしまいそうな気がする

・その場の空気感がつかめない

 

つまり問題は「交流」ではなく、

何が起きるのか見えないことです。

人は、先が読めない状況に置かれると無意識にブレーキをかけます。

心理学的にも、「不確実な状況をネガティブに解釈し、不安を感じやすくなる。」と言われています。

(田中圭介『不確実性への不耐性と心配・不安の関連』)。

だから異業種交流会のような場所に行けない人は、行かない理由を言葉にして自分を納得させます。

それは逃げではありません。

自分の体験の質を守ろうとする自然な判断です。

 

問題は主催者と参加者の視点のズレ

多くの場やブランドは、こう考えます。

どうやって交流を生むか。

何を体験させるか。

つまり、場の中で何が起きるかを設計しています。

けれど、行けない人の視点に立つと気になっているのはそこではありません。

 

・どんな雰囲気の場所なのか

・どんな人が来ているのか

・自分はどう振る舞えばいいのか

・頑張ってコミュニケーションを取らないといけないのか

 

つまり、人と交流する以前に

「そこはどういう場所なのか」

「自分はどう関わればいいのか」

が分からない。

ここに大きな視点のズレがあります。

主催者は「交流をどう生むか」を考えている。

でも参加者は「どう入ればいいか」で止まっている。

この状態のまま「交流」を求められると、人は自然と足が止まります。

どれだけ内容が良くても、

入口の安心感がないと最初の一歩は踏み出されないのです。

 

 

最初の一歩は「参加」ではなく「理解」

行けない人が最初に求めているのは、交流ではありません。

まず知りたいのは

・その場は何を大切にしているのか

・どんなテーマを扱っているのか

・自分はどう関わればいいのか

つまり、状況の理解です。

話さなくてもいい。

自己紹介もしなくていい。

まずは様子を見ているだけでもいい。

そう感じられると、人は少しずつ場の空気を理解しようとします。

 

人が参加しやすいのは「安心の段階」があるとき

行けない人は決断力がないわけではありません。

理解できないから動かないだけです。

だから体験は、段階で設計する必要があります。

 

・段階① :見る・様子を伺う

記事を読む。

写真を見る。

対話を外から覗く。

まずは様子を感じられること。

 

・段階②: 考える

テーマやコンセプトに触れ、

他人の考えを知り、自分なりに考える。

考える時間があること。

 

・段階③ :関わる

「その視点、分かる!」

「そこ、気になっていました!」

話してみたいと自然に思えること。

共感が生まれて初めて安心でき、人はつながります。

人を近づけるのは、交流の仕組みではなく共感と安心です。

 

ブランドが設計すべきもの

行けない人を動かすブランドは、

行動を急がせません。

参加を迫らない。

関係を求めない。

代わりに、こう示します。

ここに、こんなテーマがあります。

よければ、触れてみてください。

つまり、安心してはじめの一歩を踏み出せる状態をつくること。

それが、入口の設計です。

 

異業種交流会は象徴にすぎない

異業種交流会が苦手という感覚は、

分かりやすい例にすぎません。

同じことは、さまざまな場面で起きています。

・サービスに申し込めない

・コミュニティに参加できない

・ブランドに興味はあるのに近づかない

・興味のあるお店に入りたいけど入れない

すべて同じ構造です。

私たちは新しい場に関わることを望んでいる。

だけど踏み出せないのは、入口が整っていないから入れないだけなのです。

入りたいけど入れない。近づきたいけど近づけない。

そんな状態の人の視点に立って考えると、体験設計も変わってくるのではないでしょうか。

 

植村 徹

PRODUCER / PLANNER

クリエイティブエージェンシーでCI/VI、ブランディング、TVCM、Web施策などを経験。デザインシンキングや編集思考を用いたワークショップやファシリテーションを得意とし、百貨店の売り場開発、ライフスタイル商材のブランドコンセプト開発などを行っている。
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