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あなたはスクリーナー? ノンスクリーナー? オフィス回帰時代の「集中した働き方改革」

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2026.3.23

働き方改革に必須の知識

新年度を迎えたこともあり、今回は働き方について考えます。

「働き方改革」という言葉が話題になったのは10年ほど前。メディアでは主に、ワークライフバランスや女性の活躍推進が取り上げられていました。その後、コロナ禍から注目が集まったのが、フリーアドレスやリモートワークといった「ある環境における働き方」です。

その議論をするうえで避けては通れないのが「スクリーナー、ノンスクリーナー」の存在です。

スクリーナー、ノンスクリーナーとは

米国の心理学者アルバート・メラビアンは、環境からの刺激に対する感受性や耐性を「刺激遮断」と呼び、次のように分類しました。

▶︎スクリーナー

環境からの刺激に対して自動的に遮断を行い、すぐに適応できるタイプ。余計な情報をシャットアウトし集中できる。

▶︎ノンスクリーナー

環境からの刺激に対して脆弱で影響を受けやすいタイプ。敏感なため、集中するにはそれなりに整えられた環境が必要。

感受性や耐性は人それぞれ

同じ環境でも集中して仕事を進められる人と、そうでない人がいると感じたことはありませんか? それは、環境に対する敏感さに個人差があるからです。

間違えてほしくないのが、この2タイプは、どちらかが優れているということではないこと。完全に二分されるものではなく、中間的な人も存在します。

あるグローバルIT企業では社員の9割以上が「スクリーナー」、別の企業では8割が「ノンスクリーナー」だったという調査結果があるそうです。あなたはどちらのタイプでしょうか?(ちなみに私はノンスクリーナー寄りです)

 

卓球台やダーツが社内に置かれているオフィスがありますが、それが執務エリアの近くにあると音によって仕事中の社員が集中しにくく、 だからといって音の届かない離れた場所にしたら、社員が気軽に集まりにくくなるというジレンマをじつは抱えています。

オフィス回帰、その功罪

近年、在宅勤務やリモートワークの課題が浮き彫りになり、オフィス回帰を進める企業が増えました。

オフィス回帰は「完全出社型」と、オフィス勤務に在宅勤務・リモートワークを組み合わせた「ハイブリッド型」に分かれますが、共通するメリット、デメリットがあります。

【オフィス回帰のメリット】

・コミュニケーションが活性化 ・チームの結束力が強化 ・人材育成が促進 ・生産性が向上

【オフィス回帰のデメリット】

・通勤の負担が増加 ・ワークライフバランス低下のリスク発生 ・従業員満足度低下のリスク発生 ・オフィスの固定費が増加

 

対面では、メールやチャットなどテキストベースのコミュニケーションに比べ、圧倒的に多くの情報量を伝えられるといいます。

それは逆にいえば、コミュニケーションのために良かれと思ってした雑談が、人によっては情報過多に感じ、集中を阻害する大きなストレスになる可能性を意味します。(もちろん、雑談自体を否定してはいません!)

そのため、一概にオフィス回帰を推進すればよい、というわけではないようです。

今後のオフィスに必要な対策

そもそも、厚生労働省は働き方改革を「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革」と定義しています。

多様な人が働く環境では、スクリーナーとノンスクリーナーが自分向きの環境を選択できたり、会話や通話を制限するエリアを設けたりと、個々が集中してスキルを十分に発揮できるようにするマネジメントが欠かせません。そうした働き方は「ABW」と呼ばれています。

選べる働き方「ABW」とは

ABW (Activity Based Working)とは、その時々の仕事の内容に合わせ、働く場所や時間を社員が自律的に選択する働き方。オランダのコンサルティング会社Veldhoen + Companyが提唱し、欧米企業を中心に広まりつつあります。

フリーアドレスとは異なり、たとえば1人で集中したければ周囲から隔離されたワークスペース、アイデア出しを行うならクリエイティブに作業できるエリア、というように仕事の内容次第で場所を選べるのが特徴です。

「社会課題」より「社内課題」

このABWで、先述のオフィス回帰のメリットを残しながら、デメリットをできる限り解消していけそうです。

すべてのオフィスがすぐに実現できるわけではありませんが、パーテーション1枚、照明1つから始められることもあり、選択可能な働き方ができるように努めていくことは重要です。

今取り組むべきは「社会課題」の解決よりも「社内課題」の解決なのかもしれません。

次回は、オフィスの空間設計に限らず、自宅でもカフェでも個人で簡単にできる(私も実践している)集中法をご紹介します。

 

This is New Perspective

労働時間で着目すべきは「長さ」より「質」。外部刺激に対する自分の耐性を知り、最適な環境を選べるのが真の働き方改革。

 

参考

「第四の経営基盤―日本企業が見過ごしてきたファシリティマネジメント」(JFMA)、NTT docomo Business Watch、Panasonic「ニューノーマル時代に生産性の上がるワークプレイス」、KOKUYO「オフィスづくりに役立つコラム」、RICOH Smart Huddle

石塚勢二

CREATIVE DIRECTOR / COPYWRITER

プロダクションにて企業の広告・プロモーションに携わった後、Dynamite Brothers Syndicateに参画。パーパス策定やコンセプト開発から、コミュニケーション戦略の立案、コンテンツの企画・制作まで行う。知性・感性が相手と共鳴する関係を重視。
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