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会議で「個人的には…」が口癖のあなたへ。自分の意見を効果的に伝える方法。

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2025.7.31

会議での発言は最高のセルフブランディング。

今回のブログは、会議やミーティングで自分の発言の際に「個人的には…」と、ついつい自分の意見に予防線を張る枕詞をつけている人に読んで欲しいと思っています。

会議で飛び交う「個人的には・・・」という枕詞。私たちは、その言葉の裏に「波風を立てたくない」という配慮や、「責任を限定したい」という自己防衛、そして「相手を立てる」という謙虚さなど、様々な守りの心理が働いていることを知っています。

しかし、その守りの姿勢は、本当に必要なのでしょうか?

「個人的には・・・」という言葉の後に続く意見は、多くの場合、その場の空気に流されない「新しい視点」であり、膠着した議論を動かす可能性を秘めた貴重なアイデアです。その価値ある一言を、もっと効果的に、そして自信を持って届けること。それこそが、会議の場における優れたセルフブランディングの第一歩です。

とはいえ、まだキャリアが浅い、転職したばかり、クライアントとの関係も構築できていないなど、自分の発言に慎重になる気持ちはよく理解できます。当然筆者も同じような経験を幾度となくしてきました。

そこで、今回は「個人的には…」の枕詞を使わず、自分の「新しい視点」を伝えるための会話の糸口を考えてみました。

大事なのは少しのユーモアや例え話を上手く取り入れること。そうすれば、あなたの存在や発言への注目度が変わり、周囲に「ユニークな視点を持つ面白い人材」として認識される、効果的なセルフブランディングに役立つはずです。

ぜひ参考にしていただければと思います。

 

自分をアピールしたい会議に向けての準備。

1. 謙遜とユーモアで切り込む

謙虚な姿勢は保ちつつも、ユーモアで場を和ませ、発言を印象に残します。ユーモアを取り入れるセンスを持つ、コミュニケーション上級者のキャラクターを確立するセルフブランディングに繋がります。

・「学習データが極端に偏っているAIのような私の意見なので、信憑性はさておき…」

→ 時代の潮流を取り入れた自虐的なユーモアで、場の警戒心を解苦ことで、思い切ってユニークなアイデアを披露しやすい空気を作ります。

 

・「3歩歩くと忘れる“ニワトリのアタマ”程度の、私の肌感覚を申し上げると…」

→ 控えめな姿勢を示しつつ、経験則に基づく意見であることを伝える。「ニワトリは3歩歩くと忘れる」というマイナーなことわざを使うセンスを感じさせる狙いもあります。

 

・「まだ”まかない飯”レベルのアイデアで、お客様に出せるものではないかもしれませんが…」

“まかない飯”という強い印象のキーワードを持ち出し、未完成ながらも価値のあるアイデアだと示唆し、「味見してほしい」と促します。

 

 

2. 物語と比喩で視点を変える

複雑な状況を分かりやすい比喩で表現することで、知的な印象と物事を俯瞰できる能力をアピールできます。カルチャーやスポーツなど得意な領域を持っている人におすすめのセルフブランディングです。このアプローチは自分の趣味や興味の対象を自然にアピールできるメリットもあります。

 

・「この議論を一本の映画だとすると、まだ伏線が回収できていない気がするのですが…」

→ 議論を客観視し、見落とされている要素をストーリーになぞらえて指摘する。具体的な映画を持ち出すと話が長くなるので要注意です。

 

・「もしこれが、ポケットマネーで投資する案件だとしたら、と考えてみたのですが…」

→ 一気に「自分ごと」としての真剣な視点を持ち込み、コストやリスクへの意識を喚起する。ビジネス感度の高さも合わせてアピールできますが、付け焼き刃の知識だと裏目に出る可能性もあるので注意が必要です。

 

・「ここまでの話を聞いていて、ある甲子園常連校監督の名言が頭をよぎったのですが…」

→ 文脈をずらすことで、この先どんなエピソードが飛び出すのか、興味を喚起する。かなりマニアックなテーマになるので、全く共感の得られらない可能もあります。逆に高校野球好きがその場にいたら一気に距離感が縮むことでしょう。

 

星稜の山下智茂元監督と智弁和歌山の高嶋仁前監督

3. 直感と本音をストレートに届ける

ロジックだけでは測れない部分を、自分の感覚として正直に伝える姿勢は、誠実さや意志の強さを感じさせます。論理だけでなく自分の感性も大切にする人物としてのセルフブランディングになります。

 

・「ロジックは完璧なのですが、私の心の『いいね』ボタンが反応しなくて…」

→ 理屈では説明しきれない感覚的な違和感を、率直に共有する。SNSの文脈を持ち出すことで、反対のコメントをオブラートに包みます。その会議の場で「今のはいいねボタン反応した?」などと使われるようになったら大成功です。

 

・「クラスに1人はいる『そもそも論』を言い出すタイプの意見ですが…」

→ 自分の意見が主流ではないことを示しつつ、議論に新しい光を当てる。盛り上がっている状況で「そもそも論」を言い出すと話が振り出しに戻るリスクはありますが、場の空気に流されずに本質をついた視点を持つ人物として認識されるでしょう。

 

・「確かにレシピ通りで美味しくできそうな企画なのですが…」

→ 論理を超えた直感を、少しユーモラスに、しかし無視できない意見として提示する。企画にオリジナリティという旨みを加えてくれそうな予感がします。

 

「個人的には・・・」からの卒業。自信を持って、自分の「視点」を投じよう。

これらの表現は一例ですが、共通しているのは「個人的な意見」という単なる感想で終わらせず、「価値ある一つの視点」として注目させる効果があります。

そもそも、「個人的には」と前置きされる意見の多くは、同調圧力に縛られない、その人ならではの独自の視点です。それこそが、マンネリ化した議論を打ち破り、新しいアイデアを生み出す起爆剤となり得ます。

遠慮や謙遜は、あなたの貴重な意見の価値を半減させる可能性があります。ユーモアや例え話を取り入れることで、あなたの発言はより印象的に伝わり、セルフブランディングにつながります。

もう「個人的には…」と縮こまるのはやめましょう。 時にはユニークな表現の力を借りながら、自信を持ってあなたの「視点」をその場に投じてみてください。その一言が、会議を動かすだけでなく、あなたという存在を周囲に刻み込むセルフブランディングにつながるはずです。

ちなみに、筆者もいまだに「個人的には・・・」と話し始めてしまうことを、最後に付け加えておきます。

植村 徹

PRODUCER / PLANNER

クリエイティブエージェンシーでCI/VI、ブランディング、TVCM、Web施策などを経験。デザインシンキングや編集思考を用いたワークショップやファシリテーションを得意とし、百貨店の売り場開発、ライフスタイル商材のブランドコンセプト開発などを行っている。

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