東京の夜から、高松の朝へ。
非現実から、いつもの朝へ。
日本で最後の寝台特急、
サンライズ瀬戸・出雲号でしか味わえない時間旅行。
重たいプレゼンを控えた三日前、
「移動距離とアイデアは比例する」
そんな言葉を思い出して、
スピードと効率が求められる現代に、
少しだけ逆らってみた。
21:01 — 東京駅。
憧れのロゴと、憧れの秘密基地にご対面。
21:26 — 東京駅、発。
いつもとは違う、ホームすれすれの低い視点から、10番ホームを出発する。
21:52 — 横浜駅。
さすがの大都会。視線を避けるように、スクリーンを下ろす。
22:56 — 熱海駅。
厳選したお弁当と、熱海駅のホームをつまみに、夜が進む。
23:16 — 沼津駅。
ホームをつまみに、もう一杯。
眠気に耐えられず、少し横に。
06:16 — 岡山駅手前。
あまり眠れないまま、気づけば朝日と並走。
06:53 — 児島駅。
交代した駅員さんと、鳥が並ぶホームの向こうに、
瀬戸内の気配が近づいてくる。
06:58 — 瀬戸大橋。
この旅のハイライト。
瀬戸内海と朝の光に包まれた、極上チルタイム。
07:28 — 高松駅、着。
普段の電車と変わらない速度なのに、
ちゃんと遠くに来ているのが、不思議だった。
22:30 — 岡山駅、発。
帰りは、念願の二階部屋。
ホームの電灯に近い、不思議な高さ。
23:24 — 姫路駅手前。
晩酌はほどほどに。
二階席の特権である、月を眺めながら横になる。
01:10 — 大阪駅通過後。
都市の構造に変わっていく景色を眺めながら、アラームをセット。
05:25 — 沼津駅。
朝焼けをお供に、帰りは沼津駅を上から眺める。
05:43 — 熱海駅周辺。
新幹線だと一瞬で流れる熱海の海が、
寝台特急では、もうひとつのハイライトに。
06:04 — 相模川。
通勤列車とすれ違い、目的地が近づいてくる。
06:44 — 横浜駅、着。
通勤客に紛れながら、少しずつ現実モードに。
「移動距離とアイデアは比例する」
そんな言葉を頼りに、夜をまたいでみたけれど、
行きも帰りも大量の刺激的なチルアウトを摂取したせいで、しっかりと睡眠不足に。
それでも、悪くない。
むしろ、こういう遠回りで得たものが、
あとからじわじわ効いてくる気がしている。
細野隆博
ART DIRECTOR
紙媒体はもちろんWebディレクション・デザインも幅広く手がけ、積極的なコミュニケーションと丁寧に作り込んだデザインで信頼関係を築き、要望の先にある本質的な課題解決を目指す。新規スタジオ事業では動画制作のクリエイティブディレクションを担当。