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デザイン会社のクリスマスエピソード

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2024.12.5

DBS(ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート)はクリスマスを比較的大事にする会社です。毎年クリスマスツリーを飾り、クリスマスケーキやケイタリングを楽しみます。とは言え、クリスマスソングを流し、シャンパンで「メリークリスマス!!」と言うほどの盛り上がりはなく・・・。ゾロゾロと手の空いた人が集まり、ちょっとお話ししながらケーキを食べるあたりが、職人気質なデザイナーが多いDBSらしさ、とも言えます。
そんなDBSのクリスマスに華を添えてくれるのは、代表野口のこだわりも強いクリスマスツリーです。

今回は、そんなDBSの心温まるクリスマスツリーのエピソードに少しお付き合いください。

エピソード1「生木は痩せていることもある」

当社では3m丈のクリスマスツリーを飾るのですが、かつては生木(なまき)へのこだわりがありました。大きな生のもみの木は、筆者にとって洋画の中の憧れでした。ほんのりと香る木の香りと、生木の風貌に、やっぱり生木のツリーは醸し出す雰囲気が違うなと。エントランスに佇むDBSのツリーを見て、誇らしい気分になったものです。ところがここ数年は、人工ツリーが飾られるようになりました。生木は毎年ばらつきがあり、ある年のもみの木がとっても痩せていて、貧相に見えたのです。それ以来、生のもみの木がDBSのエントランスを飾ることは無くなりました。
人知れず、筆者はとっても残念な気持ちを抱いています。確かに、人工ツリーにばらつきはありません。香りやディテールを感じることないSNSに上げてしまえば、もしかしたら人工ツリーの方が見栄えがいいかも知れません。
クリスマスツリーに抱く人それぞれの感情に応えるように、今年もDBSではクリスマスツリーが出迎えてくれます。

エピソード2 「オーナメントにも美意識を」

当社が入っている南青山の青山タワービルでは毎年エントランスにクリスマスツリーが飾られます。ある年、当社のツリーの飾りつけがイマイチだったようで、代表の野口から「ビルエントランスのツリーの方がいい。デザイン会社としての美意識が足りない」と、担当者が叱責を受けていました。
確かに、オーナメントや飾り付けにはセンスが問われます。しかし、これは非常に難しい問題です。毎年、クリスマスツリーを用意してくれているのは当社の人事総務です。デザイナーでもスタイリストでもない担当者が人一番美意識の高い野口の期待に応えるハードルは決して低くないのです。呑気に毎年クリスマスツリーを楽しみにしている筆者とは違い、おそらくそれなりのプレッシャーを感じていると察しております。毎年、クリスマスシーズンを迎えるにあたり、担当者と野口とのツリーに纏わるやり取りが聞こえてきます。筆者は、そのやり取りを、毎年こっそり楽しみにしています。私にとってはDBSの微笑ましい裏風物詩のひとつです。ちなみにこの年、担当者はオーナメントを一新しリカバリーしたことを付け加えておきます。

 

エピソード3 「リースが臭いこともある」

ある年は、ツリーではなくリースにした年がありました。
もちろん生のリースで、オシャレな花屋さんに依頼した直径1.5m以上ある大変素敵なリースでした。自分の生活空間に大きなオリジナルリースがあるなんて憧れですよね。「たまにはリースもいいね!」なんて盛り上がっていたのも束の間、そのリースは生の植物独特の匂いを発しており、その匂いが、人によっては異臭に感じられたのです。気にならない人は全く気にならない匂いなのですが、気になる人にとっては、来訪者に不快な想いをさせる可能性があると感じ、外す外さないの、ちょっとした押し問答が起きました。幸せな気持ちを共有するためのクリスマスリースをめぐって、まあまあ殺伐とした空気になりました。匂いが全く気にならなかった筆者は、その様子すらも呑気に裏風物詩として楽しんでいたのですが、結果的に、リースは袋に詰められ裏のストックルーム行きとなりました。ツリーではなく、こだわりのリースを飾るという、デザイン会社らしいオシャレな試みは、その年が最後になりました。誰も悪くないんです、日々デザインワークに忙殺されているスタッフの気持ちを、少しでもクリスマスの装いで気分転換させて欲しいとの、担当者の心温まる想い。そんな想いをも打ち消す「臭い」という感覚の脅威を、筆者は感じました。

 

クリスマスツリーは憧れの象徴

この記事を書いていて改めて気づきました。クリスマスに抱く筆者の強い感情は「憧れ」です。
幼い頃に目にした映画やドラマのクリスマスの情景、そしてクリスマスツリーは、筆者にとって「憧れ」の象徴なのかもしれません。

「憧れる」という感情は、目標につながり、価値観や人生観を形成する反面、嫉妬や自己否定にもつながるなかなか厄介な感情です。今年も残りわずかになりましたが、「憧れ」の感情をポジティブに活用していきたいと思います。

そんな風に考えながら、今年も筆者はDBSのクリスマスツリーを眺めています。

少し早いですが、メリークリスマス。

植村 徹

PRODUCER / PLANNER

クリエイティブエージェンシーでCI/VI、ブランディング、TVCM、Web施策などを経験。デザインシンキングや編集思考を用いたワークショップやファシリテーションを得意とし、百貨店の売り場開発、ライフスタイル商材のブランドコンセプト開発などを行っている。

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