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MY PERSPECTIVE 02 グラデーション実験の記録 | 世界3大ポスター展トリエンナーレ富山に入選

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2025.2.19

こんにちは、グラフィックデザイナーの石戸です。
今回は私の趣味について、お話しさせていただきます。

仕事から帰宅した後や、休日に日々自主制作をしているのですが、
グラデーション表現を取り入れることが多く、
どうしたら魅力的な見え方になるか、など実験をしています。

今回はそんなグラデーション実験の中で
一番記憶に残っている制作をブログにしたいと思います。
少しマニアックかもしれませんが、最後までお読みいただけますと幸いです。

2枚のポスター制作

1番記憶に残っているのが、この2枚のポスターです。

このポスターは2023年のJAGDA北海道ポスター展に
参加をするために制作をしたB1サイズの連作です。
(造形的にはポスター展のテーマに沿ったものだったり色々と意味合いがあるのですが、
今回はグラデーションの話なので割愛、、簡単にいうとオとおの文字を表現したポスターです)

印刷方法も紙の種類も自由なので、
これはついでにグラデーションの実験をやってしまおう!と思った訳です。

制作の過程

何の実験をしたかというと、メタリックのシルバー紙に
データのダミーグラデーションを印刷すると、
どのような光り方をするのか、という実験です。

なんともややこしく聞こえるのですが、
図にするとこうなります。

元々光っているシルバーの紙に、
データ上のグラデーションを乗せるわけです。
光り方が想像出来ないので試してみたくなりました。

今のところはただ全面的にギラギラしたポスターなので
デザインを入れていきます。
以下は図で説明を、、。

上記のような印刷行程を経て、
どのような仕上がりなったのか、、
それがこちらです。

人型の部分だけがメタリックに光るポスターが仕上がりました。
ただギラギラ光っているのではなく
データのグラデーションの筋っぽさが組み合わさり妙な光り方に。

今回は「自分がどうしたいか」に振り切って実験をした訳ですが
思いの外「光が不思議な感じがして、ポスターの前を行ったり来たりした」
という声もいただき、意識的に実験を取り入れて良かったな、と思うなど。

世界ポスタートリエンナーレ富山

そんな実験ポスターが昨年
世界3大ポスター展と言われるうちの一つ、
トリエンナーレ富山に入選をすることができました。
期間限定で富山美術館に展示いただけるとのことで(有難い、、)
昨年末に富山へ。
※展示開催期間は昨年で終了

富山美術館はもちろん付近もとても美しい場所で、優雅な気分になりました。
美術館に入り、ドキドキしならがらも展示室に入ると、予想外の出来事が。

緑と青のポスター連作で応募していたのですが、
入選していたのは、片割れの緑のみでした、、!
(入選通知ではタイトルが同じなので気付かず)

このポスターは2枚でひとつなのにな、、とちょっとだけ思いつつ、、
それでも、自身のポスターが美術館に展示されていたことは
とても新鮮で良い経験が出来ました。
他にも国内外の様々なポスターを沢山浴びることが出来、刺激になりました。
3年に1度の開催なのですが、ぜひ皆様も行かれてみては。オススメです。

以上が、グラデーション実験の記録です。
私は頭が固い方で、すぐに型にはめようとしがちなので、
こういった実験的な取り組みは細く長く続けていこうと思います。
何より、楽しいので。

長くなってしまいましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました!

石戸 耕介

DESIGNER

テニスコーチからデザイナーへ転身し、 デザイン事務所を経てDBSに入社。 クライアントワークでは「伝わるコミュニケーション」を、 アートワークでは「新しい尺度を持つこと」を目標に日々取り組む。

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