GitHubを起点とした情報漏洩や不正アクセスのニュースも、GW前には大きな話題となっていた。そんな中、昨年末に私は生成AIの講座を受講した。

「今さら?」と思われるかもしれないが、むしろ今だからこそ、基礎から学び直す必要があると感じたからだ。
ネイティブ世代の若者や学生の方が、感覚的な理解や習熟度はよほど高いはず。だからこそ、自分自身も改めて体系的に理解し直したいと思った。
講座では、生成AIの基本からマーケティング活用まで、一通りの座学を学んだ。
思い返せば、3年前に ChatGPT の日本語版が登場し、業務活用が徐々に始まった。当時は「情報漏洩リスクの観点から使用禁止」といった話題も多く、一方で個人的にはテトリスをプログラミングさせて遊ぶ程度の使い方しかしていなかった。
そこから、わずか3年。
進化のスピードには驚かされるばかりだ。
2年で性能が倍増すると言われたムーアの法則にも長年驚かされてきたが、それすら比較にならないほど変化が速い。最近では「ムーアもそろそろ頭打ちでは?」という議論もあるが、だからこそ今、一度立ち止まって学び直すことが重要だと感じている。

講座は、
「#役割」
「#命令」
「#文脈」
「#制約事項」
「#出力形式」
を与える、といった本当に基礎的な内容から始まった。
普段から ChatGPT や Google Gemini を感覚的に使ってはいたが、改めて学ぶと、「シンプルなテキストを構造化して伝える」という基本が、実は十分にできていなかったことにも気づかされた。
例えば、以下のようなプロンプト。
=====
#役割
〜の専門ライター
#命令
〜を解説する記事を生成してください
#文脈
〜の可能性を伝えるため
#制約事項
…については触れないでください
#出力形式
テキスト形式
=====
非常にシンプルだが、こうして整理するだけでも出力精度は大きく変わる。

また、生成AI関連の書籍でもよく触れられているが、AI自身に出力結果を評価・改善させるフローも実際に有効だと感じた。
例えば、
=====
出力結果について、提示した軸に従って100点満点で評価し、改善点を3つ挙げてください。その後、改善点を踏まえた新たな出力を生成してください。
#評価軸
・ターゲットにわかりやすい解説になっているか
・具体的な事例が含まれているか
=====
といった形でフィードバックを繰り返すことで、アウトプットは徐々に最適化されていく。
さらに、変数や出力プロセス、アンケート結果などの元データを与えることで、精度はより高まる。

ここまで書いてきた内容は、決して“最先端のAI活用法”の話ではない。
むしろ重要なのは、こうした基本的な活用を、日々の業務にどう落とし込むかだと思う。
要約、校正、アイデア出し、情報整理、ルーティンワークのGPTs化――。
まずは、自分の仕事の中の「作業」をどこまで任せられるかを考えること。それが、人手不足への対応も含めた業務効率化につながっていくのだろう。

その上で、使うAIは Claude でも Gemini でも ChatGPT でも構わない。
重要なのは、継続的にインプットを与え、使い続けることだ。
幅広い知識を横断的に取り込んでいるAIは、自分一人では得られない視点や、自分の専門外の知識を補ってくれる。その俯瞰性と汎用性は、やはり大きな価値がある。
これは、最低限コードを理解したうえでWEB構成を考える感覚にも少し似ている。
まずは1冊でも関連書籍を読んでからプロンプトを書いてみると、「なぜこの生成結果になったのか」が見えやすくなる。原因と結果の輪郭が、以前よりはっきりしてくるはずだ。
もちろん、自然言語だけで高度な生成ができる現在、この考え方自体が少し古いのかもしれない。
ただ、テックやITに対する最低限のリテラシーや感度があるとWEB関連の業務理解が変わるように、生成AIとの付き合い方も変わってくるように感じている。
そして、基本的な活用をある程度使いこなせるようになった先で重要になるのが、「品質を判断する基準」を持つことだ。

生成AIは、今や誰でも使える。
だからこそ、“どう使うか”以上に、“何を良しとするか” が問われるようになっていく。
最近は、「忘れていました」「間違えました」と驚くほど軽やかに言うAIたちを見ていると、こちらの方が妙に肩肘張っている気もしてくる。
我々も気負いすぎず、日々インプットですね。
秋山 悠
PROJECT MANAGER
ファッション誌のWeb編集者や、広告イベント企画会社のPM・プロデューサーを経験。デジタル施策のプロジェクトマネジメントを得意とし、化粧品、ファッション、食、金融、百貨店、宝飾など幅広いジャンルにも精通している。