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【イベントリポート】ミス ディオール展覧会 から感じる没入体験価値

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2024.7.25

世界中を巡ってきた「ミス ディオール展覧会」が2024715日まで六本木で開催されています新ミス ディオール パルファンの誕生を記念して開催されたこの展覧会ですが、そこには私たちがブランディングワークを手掛けている鶴屋吉信プロジェクトでキャスティングした、マッツ・グスタフソンDiorスケッチがアート作品として魅力的に展示されていました。

空間ごとに繰り広げられる魅惑的な体験をご紹介します。

中心に素晴らしいクチュールドレスが中央にライトアップされている中で、Diorフレグランスを代表する香りを一つずつ体験できるフレグランスマシーン。美しく愛らしいドレープ装飾の中で、香りをパーソナルに体験でき没入感に浸れます。

Diorの香りやデザインルーツを紐解くアーカイブを巡る旅のようなタイムトンネル。

フレグランス名の由来となった千鳥格子模様やさまざまなモチーフが当時の写真やスケッチ、香水とともに、Miss Diorの歴史を体感します。

 

1960年台メゾン初のレディトゥウェア コレクションとしてパリで発表されたミス ディオール ラインの展示スペースでは今回の展覧会のメインビジュアルにもなっているMISS DIORロゴでグラフィカルに埋め尽くされています。このロゴは1960年代当時のロゴです。

そしてアーティストによって描かれるDiorの世界。ギャラリーオーナーとして展覧会を主催していたクリスチャン・ディオール。まさにギャラリーのように回遊しながらアーティスト作品を堪能できます。このアートエリアにクリスチャン・ディオールと親交の深かったルネ・グリュオーとともにマッツ・グスタフソンのイラストレーションが展示されています。マッツ・グスタフソンがDiorのために描いた作品たちです。

 

マッツ・グスタフソンは1951年スウェーデン生まれで1970年代後半からニューヨークを拠点に国際的に活躍するアーティストです。各国のVOGUEのイラストを手掛け、ファッション界をリードしていたアートディレクターのファビアン・バロンと共に全盛期のHaper’s BAZAARを牽引しました。

卓越したセンスで多くのファッションデザイナーからも支持をされ、DiorのほかHERMESTIFFANYYohji YamamotoCOMME des GARÇONSなどの数多くのブランドヴィジュアルを手掛けていますが、中でも2017年に出版されたDiorのためにオートクチュール、プレタポルテのコレクションを再解釈した作品を集めた「Dior by Mats Gustafson」は、 ファッションとイラストの表現の類希なるコラボレーションとして大きな話題になりました。

 

私たちは、そのマッツ・グスタフソンを初の取り組みとなる日本の和菓子ブランドとのコラボレーションを実現させたのが1803年創業の鶴屋吉信とのプロジェクトでした。

220年を超える歴史を持つ京菓匠鶴屋吉信の象徴である鶴をマッツが描くのは初めて。鶴屋吉信の新しい魅力を描いてくれるアーティストとしてマッツと取り組むことが決まり、私たちはマッツ本人とNYのエージェンシーで直接対話を進めながら鶴屋吉信の新しい魅力を伝える1枚を描いていただきました。現在は「虎ノ門ヒルズ」店内と京都の鶴屋吉信の新形態カフェである「つばらカフェ」に原画が飾られ、ショッパーや包装紙にも限定店舗に使用されています。

鶴屋吉信のブランディング事例ページ>https://d-b-s.co.jp/brands/tsuruya/

 

ミス ディオール展覧会を通じて、一つのフレグランス=プロダクトからこんなにも多くのコンテンツ価値を創出し、体験価値を見出せる空間展示に感動したとともに、クリスチャン・ディオールの背景を深く知らずとも展覧会に赴いた来場者たちを圧倒的な世界観に巻き込んで没入する陶酔感をもたらすすばらしいディレクションに深く感動しました。

没入体験型のイベントやアトラクションも人気ですが、ブランドショップの設計やVMDでも純粋にプロダクトを美しく見せるだけではなく、ブランドが持つコンテンツをいかに深堀して、魅力的に空間で見せていくかを考えているストアは非常に注目をされています。商品価値の向上はもちろんですが、そのショップに行くこと自体を目的とするようなファン心を大きく育むのです。

メディアの垣根を越えて、没入体験を提供できることは今後ますますブランド成長に大きく役立つキーになると思います。

高橋 梢

CHIEF PROJECT MANAGER

クリエイティブマネジメントのバックグランドを活かし、海外とのエージェントコネクションも持ち、様々なクリエイティブキャスティングを得意とする。柔軟な発想力ときめ細やかな対応でクライアントとのパートナーシップを構築し、理想的な最高のパフォーマンスを実現させることに常にチャレンジしている。

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