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Designer’s Illustration File デザイナーに聞く「私のイラストの描き方」

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2025.11.26

Dynamite Brothers Syndicateのメンバーの中で、イラストを得意とするデザイナーに話を聞くこの企画。今回スポットを当てるのは、デザイナーの久保田麻希です。作品の描き方から、得意なジャンルやタッチ、影響を受けた作家まで、ちょっとマニアックなイラストトークをお楽しみください。

 

——:どんなジャンル、タッチのイラストが得意ですか?

久保田:これまでの作品を振り返ると、自然と線画を中心とした表現に寄っていると感じます。「ここにイラストがあったらいいな」と思う場面が、そうした表現や分かりやすさを求めていることが多く、その結果として今のタッチに落ち着いているのかもしれません。

 

卒業制作用に制作したイラストです。場所を問わず、屋外で寝転んでしまう姿に面白さを感じ、その様子をモチーフにしています。「酔っ払い=注意・危険」という側面を視覚的に伝えるため、黒と黄色をメインカラーにしています。写実的に描きすぎると生々しさや不快感が出てしまうため、どこまでデフォルメするかがこのイラストの一番重要なポイントでした。リアルとポップの間を意識し、ちょうどよい距離感を探りながら表現しています。

文化祭の出し物用に制作したイラストです。宇宙飛行士のかわいいずんぐりとしたシルエットに惹かれて描きました。一方で、顔を覆う丸いヘルメット部分が、どこか虫の目のようにも見えて、急に不気味さを感じる点も印象的でした。そのかわいさと不気味さのギャップを、あえて強調しました。どこまでデフォルメするかを慎重に考え、自分がかわいいと感じる要素を素直に反映しています。

 

——:好きなイラストレーターや影響を受けた作家はいますか?

久保田:影響を受けた作家として思い浮かぶのは、寄藤文平さん、中村至男さん、そしてJulian Opieさんです。

大学でデザインを学ぶ中で、共通して目に留まっていたのが彼らの表現でした。正確で、迷いのない線の太さが明快で、見ていてとても気持ちがいいものでした。

私がイラストを描くことになったきっかけは、大学受験のために色彩構成に取り組んでいた時です。なんだかうまくいかないと悩んでいた時期に、彼らの作品に出会いました。これが気持ちの良いグラフィックだと腑に落ちたのをよく覚えています。

その経験からか、私の中ではイラストとデザインの境界があまりありません。デザインをするというより、絵を描くように形を組み立てているのだと思います。それから、形を突き詰めて考えることや、自分が何に心地よさを感じるのかを意識するようになりました。見ていて気持ちがいい。その感覚こそが、自分の好きであり、追求したい表現なのだと気づきました。

大学の課題「ミュージアムを作る」の中で制作した、架空の相撲ミュージアムの企画展用イラストです。当時、相撲を題材にしたドラマを観ていたことがきっかけで、それまでほとんど知らなかった相撲の世界に触れ、新鮮さと同時に「この面白さを若い人にも伝えたい」という気持ちが芽生え、テーマに選びました。威厳のある横綱像ではなく、もっと親しみやすい相撲の見せ方を意識し、力士の安定感を意識した太めの線とポップなタッチで表現しています。日本画の線表現も参考にしつつ、カラフルな配色を取り入れることで、繊細さを残しながらも堅くなりすぎない印象を目指しました。

 

——:イラストを描くスキルと、普段のデザインに共通点はありますか?

久保田:イラストのデフォルメでは、「何を残し、何を削ぎ落とすか」を選ぶことが大切だと考えています。その考え方は、情報を整理し、分かりやすく伝えるためのものとして、タイポグラフィや構図など、日々のデザイン業務にも生きています。今後もこの軸を大切にしながら、デザインにおいても同じ姿勢で表現に向き合っていきたいと考えています。

久保田麻希

ASSISTANT DESIGNER

大学ではグラフィックを学び、物事の本質を捉える視点に目を向けてきた。文化への違和感や興味、物語から得た多様な視点を起点に、感情に触れる表現を追求している。

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