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タイパの次にくる基準「○○パフォーマンス」とは?

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2023.5.25

タイパという言葉が注目を集めてしばらく経ちますが、あらゆるサイクルが早いこの時代、Z世代に限らず全世代、さらにビジネスパーソンの意識下にはもう次の新たな価値観や判断基準が芽生えているかもしれません。 そこで、タイムパフォーマンスの次にくる「○○パフォーマンス」を推察。それらを導き出すために用いた思考法も併せてご紹介します。

「スペースパフォーマンス」=スペパ 空間対効果

タイム(時間)とくれば、次に考えられるのはスペース(空間)。空間を所有することに対する効果や満足度が、スペースパフォーマンス(スペパ)です。

デジタルの発展、とりわけメタバースの登場により、仮想空間は市民権を得ました。広さや奥行きの制限がない仮想空間に対し、現実の空間は限界があります。限りある貴重な空間だからこそ、その場がデッドスペースになっていないか? わざわざ空間を所有するリスクを取るに値するリターンがあるか? と気を揉む人は増えるのではないでしょうか。

たとえば、最近増えつつあるキッチンカーや、流行りの「売らない店」。固定店舗を持たないという選択に際し、経営者の頭の中ではきっとスペースパフォーマンスの意識が働いたでしょう。
また、こちらも急増中のシェアサイクルポート。単なる空き空間が新事業の重要な拠点に生まれ変わったという点で、スペースパフォーマンスが高まった好例といえます。
コロナ禍以降に見られた都市部から地方への移住や、都市のデジタルツインも、スペースパフォーマンスと無関係ではないはずです。

「アカウントパフォーマンス」=アカパ アカウント対効果

ある調査によると、10代の約7割、20代の5割以上、30代の4割以上が複数のSNSアカウントを持っているとのこと。そうした状況で注意すべきなのが、アカウントパフォーマンス(アカパ)。そのアカウントでの投稿における効果や満足度です。

幻想的な風景写真が人気のアカウントでは、日常のオモシロ写真はふさわしくありません。シュールなアカウントでは、わかりやすい投稿は求められていません。SNSは仲間意識でつながっている媒体です。そのアカウントらしくない、別の思惑が見え隠れした途端、仲間であるフォロワーの熱は冷めてしまうでしょう。反面、大きな効果を発揮する場合もあります。

たとえば、2022年サッカーW杯で日本人男性が「上司へ。2週間の休暇をくれてありがとう!」というカードを掲げ、FIFAのTwitterに取り上げられたケース。男性の勤める企業が「休暇とW杯を楽しんでください。上司より」と投稿して話題になりました。
ポイントは、FIFAの投稿後すばやくリアクションしたこと。英語で全世界に向けて発信したこと。そして何より、Twitterで、それも企業の公式アカウントで投稿したことです。これにより、意図した結果かわかりませんが、社員の休暇を大切にする企業姿勢を印象づけました。
複数のアカウントを使いこなす時代だからこそ、SNSそれぞれの特性はもちろん、交流する相手や目的に応じた使い分けが重要なのは言うまでもありません。

「ラブパフォーマンス」=ラブパ 愛情対効果

見返りを求めない無償の愛が本当の愛。こんな言葉を聞いたことがありませんか。一方で、恋愛はコスパが悪いという意識を若者が持っているという調査結果もあります。

対象は全国の20歳以上の男女5,000名。交際相手がいない人のうち55%は「交際したい」と答えたものの、相手を見つける活動をしているのはわずか15%。理由は、どう活動すればよいかわからないなど受動的なもの。
“婚活”という言葉の生みの親、中央大学文学部 山田昌弘教授は次のように語ります。

「相手が自分を受け入れてくれるか?断られてしまうのではないか?」と自分に自信がないことで感じる不安や「こんな人とは思わなかった」「よくわからない人と付き合ってしまうのでは」という意識を回避するため、結果的に若者は恋愛から離れ、受動的になっているのではないか。

「DIME」(2020.03.20)

 

付き合いたいけど傷つきたくはない。そうしてジレンマを抱え、予防線を張っていること自体、愛情と効果を天秤にかけるラブパフォーマンス(ラブパ)が存在する証といえるのかもしれません。思えばコスパもタイパも、さらには投資からガーデニングまで、金額や時間、手間などをかけたぶんの見返りを私たちは求めています。

「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」という広告コピーの名作があります。ペットとの関係を表していますが、背景には「ペットを愛したい、でも先のことを考えると・・・」というラブパフォーマンスが存在すると考えられます。推しが尊い、でも裏切られるのは恐いという葛藤にも通ずるのではないでしょうか。

以上を導き出した思考法

ここまでの推察に用いたのが、私が普段の仕事でも使っているフレームワーク。いわゆる「5W1H」(5W2H、5W3Hなどもありますがわかりやすく1Hで)と、「MACRO ~MICRO」をかけあわせた思考法です。
When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の5つそれぞれを、Macro(最大)からMicro(最小)までの視点で考えます。

When(いつ)なら、原始時代、戦国時代、江戸時代といった時の流れから、近代、現代、人生、未来、1年間、1ヶ月間、1週間、今日、今この瞬間、と視点を変え、それぞれにフォーカスして考えます。
Where(どこで)なら、宇宙、地球、世界、アジア、日本、都道府県、市町村、街、会社、自宅、部屋、手元、体内、細胞といった具合です。

今回の「スペースパフォーマンス」はWhereから、「アカウントパフォーマンス」はWhoやWhyから、「ラブパフォーマンス」はWhoやWhatから発想しました。考える手がかりを見出せないときや、網羅的に考えてアイデアを出したいときなどに役立つ思考法です。組み合わせ次第では、ほかにも「○○パフォーマンス」を考えられるに違いありません。

以上、推察とそれに至る思考法をざっくりと記しましたが長くなってしまいました(タイパ重視のご時世に配慮したつもりでしたが)。もし参考になるようであれば、普段のビジネスなどで使ってみてはいかがでしょうか。

 

This is New Perspective
考え方次第では、タイパに続く「○○パフォーマンス」を考えられる。

石塚 勢二

COPYWRITER

広告制作会社で多くの企業の広告、プロモーションに携わった後、入社。コピーライティングに限らず大局的な視点に立ち、ブランドのコンセプト開発からコミュニケーション戦略の立案、動画・音声コンテンツの企画・シナリオ設計まで行う。

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